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学部・学科

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社会福祉学科:教員メッセージ

2015年4月から社会福祉学科の入学定員は100人増の400人になりました。

学科長メッセージ

社会福祉学科長
社会福祉学科 学科長:教授
三浦 剛
PROFILE みうらつよし[2007年赴任]
専門分野:障害者福祉、社会福祉援助技術、障害児教育
主な著書:共著『リハビリテーション辞典』、共著『高齢者・障害者のための福祉用具活用の実務』、共著『自閉症辞典』ほか
発達や生活に困難を有する人への地域支援システムの設計、運営、評価について研究している。常に「実践」に根ざし、彼らの立場で考えることが研究、教育の理念。
社会福祉の理論を学び、 社会のニーズに柔軟に対応できる人材に。
社会福祉の根幹は「平等」。
 社会福祉とは何をすることでしょう? オープンキャンパスなどで高校生のみなさんに問いかけると、「介護やボランティアなどで身体の不自由な人や困っている人を助けること」という答えが多く返ってきます。それも社会福祉の一部ではあるかもしれませんが、社会福祉の根幹にあるのは「平等」です。社会福祉ではそれを利用する人を「弱い人、できない人」とみるのではなく、みな同じように「できる人」であると捉えます。しかし、心身の状況や環境の影響で困難が生じており、自分では困難を解消することができない。そんな時、困難に対する解決の仕方を「ともに」考え提示するのが、ソーシャルワークの役割なのです。

さまざまなフィールドで応用できる社会福祉の理論。
 社会福祉学科は、社会福祉の理論と実践を学ぶ場です。資格を取得するために学ぶのではなく、学んだ理論が、結果的に社会福祉士などの資格につながるのです。そして、社会福祉の理論を学ぶということは、「人と環境の相互作用」を学ぶということでもあります。その知識はソーシャルワークだけでなく、企業や行政など、さまざまなフィールドで応用できるものとなります。

物事の本質を捉える目を。
 社会福祉に関する現行の法や制度は、社会の変化とともに変わっていきます。しかし、社会福祉の根幹である「平等」の理念、「福祉のこころ」を持つことで、時代の変化にも揺るがず対応することができます。それは、物事の「本質」を見いだすことでもあります。講義や多くの経験の中で、「本質」を捉え、「不変の真理」を導きだす目を養ってください。

教員メッセージ

塩村公子
社会福祉学科 教授
塩村 公子
PROFILE しおむらきみこ[2006年赴任]
専門分野:社会福祉学
主な著書・論文:共著『ソーシャルワーク・スーパービジョン論』、単著「研究ノート:災害時におけるソーシャルワーク組織の在り方に関する検討」ほか
学生が実習中に体験した「困った場面」を再現し、ロールプレイ等による振り返りを深化させるため、グループスーパービジョンなどを取り入れている。
実習での「困った場面」をきっかけに学びを深める。
援助の過程でぶつかる困難をスーパービジョンで検討。
 ソーシャルワークにおける援助技術が私の専門です。具体的には、ソーシャルワークの理論を活用し、現場のワーカーのみなさんが仕事をしながら技術を高めたり知識を深めたり、実践を振り返るための支援といったテーマを研究しています。ワーカーのみなさんは、援助の過程でさまざまな困難にぶつかります。その時、その方針でよいのか、利用者さまとのかかわりは上手にできているのか、といった点について検討を行い、ワーカーのみなさんを支援していくのがソーシャルワークにおけるスーパービジョンです。
 社会福祉学科の学生は4年次に本格的な実習を経験しますが、そのなかでさまざまな困難を感じ、大学に帰ってきます。そこで体験した「困ったこと」のなかには、そのままにしておくとマイナスの体験として心に残ってしまう場合があります。反対に、学びを深める上でとてもいいきっかけになる経験もあり、実習事後指導では、グループでのスーパービジョンを実施し、困った場面の再現やロールプレイ等による振り返りの深化を図っています。

利用者の視点から振り返る作業を習慣として身に付けてほしい。
 「実習でなぜ困ったのか」を検討してみると、そこには、自分の要因や利用者さまの側の要因、さらには実習の設定自体の問題も見えてきます。多角的に検討することで、それぞれの体験を学生ひとりのものとして終わらせず、共有し合い、共感し合うことが、この実習事後指導の
ポイントと言えるでしょう。
 善意からの支援であっても、それが相手にとってどうかは、主観からは見えてきません。自己流の支援となってしまわないように、利用者の視点から振り返る作業を習慣として身に付けてほしいと思います。

教員メッセージ

阿部正孝
社会福祉学科 教授
阿部 正孝
PROFILE あべまさたか[2004年赴任]
専門分野:精神保健福祉
主な論文:「思春期事例におけるソーシャルワークの介入の有用性についての一考察」、「スクールソーシャルワークの有用性に関する一考察~子どもたちへの支援を考える~」、「子どもの世界の後ろ側」ほか
精神の障がいを抱えている人が「自分らしさ」を失わないことの大切さを考え、それを基本にした他者との「表現」「関わり」を実践的・福祉的に探求する。
相手とじっくりかかわり、安心感を与えるワーカーに。
「表現」と「かかわり」が傷ついた心を癒すキーワード。
 従来の統合失調症や躁うつ病という心の病のほかに、1960年代頃から不登校、拒食などストレス性の障がいが増えてきました。
 このような障がいを抱える人たちには、「表現すること」と「人とかかわること」を不得手としている場合が多いのです。アメリカの精神保健の領域には「しゃべれば治る」という言葉があり、自分を表現させることで落ちつきを取り戻すのです。そこには必ず相手がいて、自分の気持ちを話すことが癒しになるわけです。しかし傷ついた人が誰にでも心を開いて話をするかというと、そうではありません。話を聞いてくれる方もありのままの姿を見せてくれる人でなければ、安心して話をすることはできないのです。この分野で学ぶ学生にはぜひ、自己表現できること、相手にじっくりかかわることを学んでほしいと思います。

多面的な学習で人間愛と豊かな感性を育んでほしい。
 また、精神保健福祉分野で活躍する人材に必要な「姿勢」を身に付けていただきたいと思います。
 まず、相手の目を見て話す、きちんと返事をするなど、コミュニケーションの態度を身に付けること。そして病や障がいのある人の心を受け入れられる人間であれ、ということです。迷っている人のあるがままを認めて、支援してあげられるようでなくてはいけません。そのた
めには相手への思いやり、心に「愛」がなければいけません。さらには自分への愛ももつということ。大事な場面ではきちんと自己主張をして「表現する」「かかわる」ことで、初めて相手も認められるようになるのです。
 福祉の分野を貫くのは思いやりと信頼の心。この精神保健福祉の学問で「人間愛」と「豊かな感性」を育んでください。

教員メッセージ

菅井 邦明
社会福祉学科 教授
菅井 邦明
PROFILE すがいくにあき[2007年赴任]
専門分野:コミュニケーション障がい学、特別支援教育
主な論文:共著「認知症高齢者に対する介護職員の発話調節」、共著「アルツハイマー型痴呆患者の終末期音楽療法」、共著「ネットワークを利用した不登校児・障害児支援システムの開発」ほか
多くの人とのかかわりが学習をより深いものにする。
障がい者や高齢者などを対象に、学際的な研究を展開。
 私はこれまで、教育学分野に身を置きながら、障がい者や高齢者などを対象に、医学や工学、社会福祉学などの領域を加味しながら学際的な研究を行ってきました。特に力を入れてきたのがコミュニケーション障がいです。コミュニケーション障がいとは、社会などの対人関係を必要とされる場面で十分なコミュニケーションをとることができないというもので、身体障がいや精神障がい、発達障がいが主な原因とされています。いま児童虐待が社会問題となっていますが、これなども家庭内での親子間のコミュニケーション障がいと捉えることができるのではないでしょうか。社会福祉学科の中では、主に特別支援教育の枠組みの中で、聴覚障がい教育や人と人とのかかわりをテーマに講義やゼミ運営を行っています。

学生個々のボランティア活動や実習体験を教材にして。
 3年次の学生を対象とする「演習Ⅰ・社会教育演習Ⅰ」では、ボランティア体験や実習などの場で生まれる人とのかかわりの内容を科学的に観察する方法を学習。その学習をベースに、アルバイトやサークル活動、ボランティア活動など、それぞれの体験観察を教材にしながら、発表や討論を行います。こうした内容でゼミを運営できるのは、福祉大の学生がボランティア活動や実習を通して常に多くの人とかかわっているからです。無理なく自然にさまざまな活動に参加していく姿勢は、福祉大の学生に共通に備わった資質と言えるかもしれません。学生個々の「行」と「学」を融合させ、確かな知識や技術とすること。そうした教育の中で、特別支援教育に対する理解を確固としたものにしてくれることを願っています。

教員メッセージ

松本 祥子
社会福祉学科 准教授
松本 祥子
PROFILE まつもとさちこ[2007年赴任]
専門分野:家族社会学
主な著書・論文:単著「災害時における食物アレルギーをもつ児童支援とその社会的ネットワークに関する実証研究」「食育活動におけるJA の果たす役割-農家・教育現場の連携を中心に-」ほか
宮城県大崎市田尻をフィールドとして、学生とともに継続的に家族調査を実施。農家家族の家族内役割分担の変遷を明らかにしている。
家族内での役割分担や育児の変遷などを知る。
農家家族を対象にインタビュー調査を実施。
 福祉の現場では、支援を必要とする本人だけでなく、その家族もまた支援の対象となることが多くあります。その点で、家族の問題は社会福祉学科の学生全員にかかわるものであり、そうした観点から家族社会学について教育・研究を進めてきました。
 家族は、社会集団のなかで最も身近な存在となります。家族は身近にありすぎて学問にならないと言われることもありましたが、福祉を学ぶ上で、その視点を切り離して考えることはできません。ゼミでは、家庭生活の基本的な問題を社会学の立場から理解することを目標に、家
族類型、家族関係、結婚、離婚、再婚、家族の生活設計、役割構造などについて個人発表し、その発表をもとにグループディスカッションを行っています。また、家族とは、どのような集団であり、どのような機能や役割をもっているのかを明らかにするため、宮城県大崎市の農家家族を対象に、家族内での役割分担や育児の変遷などについてインタビュー調査を実施しています。

自分が育った環境とは異なる家族を知っておく。
 調査は、毎年田植えの時期に行っています。田植えには家族が集まるため、家族それぞれの思いや家族の成長を調べる上で絶好の機会だからです。学生にとっては、楽しみながらコミュニケーション力を高める、そんな経験になっているようです。
 人にかかわる仕事に就く時、家族の現在と未来、いわゆるライフサイクルに合わせていろいろな問題が出てくるということへの認識と理解はとても重要です。家族社会学の学びや調査を通して、自分が育った環境とは異なる家族を知っておくことは、人間理解という点で将来にいきる経験となるはずです。